「男はつらいよ」とは、渥美清主演、山田洋次原作・監督(一部作品を除く)テレビドラマであり、映画シリーズです。
その映画の舞台は、故郷である葛飾柴又。
「男はつらいよ」の第1作では、車寅次郎が20年ぶりに故郷柴又に帰ってきます。
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そんな「男はつらいよ」のロケ地には、はるばる遠方からも多くの人たちが訪れています。
「男はつらいよ」のロケ地に見えるのは、寅さんの故郷であり、日本の古き良き懐かしい風景なのです。
どんどん変化していく東京の風景の中で、いつまでも変わらない風景もあります。
変わらないものに対して、人たちはホッと肩をなで下ろしたりするのではないでしょうか。
そこで今回は、「男はつらいよ」のロケ地の見どころや場所などを詳しく紹介していきます。
目次
男はつらいよのロケ地・撮影地1「高木屋老舗」
撮影されたシーン
「男はつらいよ」ロケ地でおすすめのスポットは、帝釋天参道(たいしゃくてんさんどう)の商店街にある「高木屋老舗」です。
帝釋天参道には、京成線柴又駅から柴又帝釈天まで続く道に活気のある商店街が並んでいます。
ここには、寅さんの実家である「門前とらや」があります。
車寅次郎は、遠く日本の果てで香具師(テキ屋)の暮らしをしているものの、いつもこの帝釋天参道の商店街の風景のことを忘れることはありません。
そして、とらやに住む人たちの顔もです。
妹のさくら、おいちゃん(森川信)・おばちゃん(三崎千恵子)、そして、裏の向上のタコ社長(太宰久雄)、将来さくらの旦那になる博(前田吟)たちが、あたたかく寅さんを迎えて入れてくれます。
このロケ地の見どころ
「男はつらいよ」ロケ地巡り、帝釋天参道の商店街に欠かすことができない存在は、 明治から営業が続いている高木屋老舗です。
このお店は、寅さんの実家のモデルとなったお店であり、現在でも実在しています。
この高木屋老舗は、参道へ入ってすぐ右手にあります。
「男はつらいよ」にもっとも関わり深い、草だんごを提供してくれるお店で、寅次郎のおいちゃん、おばちゃんが経営するだんご屋のモデルとされているのはこの店です。
実際に「男はつらいよ」の撮影時には、渥美清さんをはじめとして、様々な俳優さんたちが、ここを休憩所として使用したと言われています。
お店の中には、所狭しとロケの模様の写真が一杯飾られています。
また、寅さんの予約席もここに再現されています。
そして、柴又の名物といえば、ヨモギの薫るおいしい草だんごです。
寅さんも愛したと言われている高木屋老舗の草だんごは、鮮度の高いコシヒカリを挽いたできたての米粉を使用していることが、おいしい秘訣。
ある程度時間が経過しても、モチっとした食感を楽しむことができて、お土産には一番です。
場所・アクセス
高木屋老舗へは、京成柴又駅下車8分、JR常磐線・京成線両方とも金町駅前発小岩駅行バスで「柴又帝釈天」下車7分です。
柴又帝釈天まで続く200mの参道には、江戸時代から長く続いている、川魚料理のお店や草団子、煎餅などの名物を振る舞ってくれるお店が建ち並んでいます。
- 住所:〒125-0052 東京都葛飾区柴又7丁目7−4
- 営業時間
- お土産:9:00〜17:00
- 喫茶:10:00〜16:00
- ※ コロナのため営業時間を変更しています
- 最寄駅:柴又駅
- おすすめの行き方:電車
- 公式サイト:高木屋老舗
男はつらいよのロケ地・撮影地2「とらや」
撮影されたシーン
「とらや」は、寅さんの実家として撮影が行われたことがあるお店です。
このロケ地の見どころ
こちらは、「男はつらいよ」のシーンに登場する「とらや」と同じ場所にあります。
「男はつらいよ」の映画の中で登場しているお店は、スタジオのセットで実際にお店でロケをしている訳ではありません。(※とらやの店頭には、1作から4作までは「実際に映画の撮影に使用したお店です」という貼り紙があります)
とらやという名前からして、こちらのだんご屋の方が、高木屋と比較して思い入れが大きいという方々もいますよね。
「男はつらいよ」では第39作目「「男はつらいよ」 寅次郎物語」(1987年)までは、とらやというだんご屋の名前だったのですが、第40作目「「男はつらいよ」寅次郎サラダ記念日」(1988年)からは「くるまや」という名前に変更されています。
一方、とらやというだんご屋の名前も、もともとは柴又屋という名前だったのですが、映画と同じとらやに後から変更されたものです。
「男はつらいよ」の映画の中で、お店の名前が変わったのは、ロケでいつも御世話になっている高木屋に対しての配慮とも言われています。
場所・アクセス
とらやの場所も柴又帝釈天まで続く200mの参道にあり、高木屋から2軒を隔てた参道の奥寄りです。
柴又帝釈天の参道を進んで、信号を渡り5件目のところにあります。
高木屋さんにしていいか、とらやにしていいか悩むところですね。
- 住所:〒125-0052 東京都葛飾区柴又7丁目7−5
- 営業時間
- 平日:10:00~17:00
- 土.日.祭日:9:00~17:30
- 休業日:不定休
- 最寄駅:柴又駅
- おすすめの行き方:電車
- 公式サイト:門前とらや
男はつらいよのロケ地・撮影地3「柴又帝釈天」
撮影されたシーン
帝釋天参道の商店街の先に、柴又帝釈天があります。
参道に向かい建つ総欅造りの「二天門」は、威厳ある姿で、参拝する人たちを迎えてくれます。
「男はつらいよ」では、この門の前で源公(佐藤蛾次郎)が掃除をしていたり、さくらと御前様(笠智衆)が寅は今頃何をしているのかなどと話をしたりするシーンが撮影されました。
このロケ地の見どころ
柴又帝釈天の正式の名前は、「経栄山題経寺(きょうえいざんだいきょうじ)」です。
江戸時代の寛永6年(1629年)に開基された日蓮宗の寺院です。
二天門の正面の「帝釈堂」においては、宗祖の日蓮自らが刻んだとされている「板本尊」が安置されています。
この帝釈堂は、「拝殿」と「内殿」の2つの入母屋造瓦葺の棟で構成され、内殿の壁には美しい彫刻が施されています。
そして、「男はつらいよ」ロケ地巡りとしては、境内の北西端に建つ「大鐘楼」もおさえておきたいところです。
大鐘楼の北面は石柱が並び、「男はつらいよ」の映画のゆかりの人たちの名前がここに刻まれています。
場所・アクセス
帝釋天参道の商店街を抜けるとあるのが「柴又帝釈天」です。
やっぱりここまで来たらしっかりお参りもしておきましょう!
- 住所:〒125-0052 東京都葛飾区柴又7丁目10−3
- 最寄駅:柴又駅
- おすすめの行き方:電車
- 公式サイト:経栄山 題経寺(柴又帝釈天)
男はつらいよのロケ地・撮影地4「川甚」
撮影されたシーン
二天門をくぐり帝釈天の境内に入る前あたりには、おいしそうな香りがたちこめるお店があります。
ここ「川甚」は、さくら(倍賞千恵子)と博(前田吟)の結婚披露宴の場所として使用されました。
また、寅さんの小学校の同窓会会場としても使われました。
このロケ地の見どころ
川甚の門構えは、 結婚式に遅れたタコ社長が慌てて乗り付けるシーンを思い出せてくれます。
川甚は、おいしいうな重を食べることができるお店です。
このようなお店で、うな重定食・税抜き料金3,300~5,700円を食べれば、「男はつらいよ」ロケ地巡りもかなり充実したものになることは間違いありません。
江戸時代後期に創業して既に220余年が経過。
川魚料理と四季折々の季節料理が楽しむことができる老舗料亭です。
ここは「男はつらいよ」の映画だけでなく、夏目漱石の「彼岸過迄」や、 尾崎士郎の「人生劇場」、そして谷崎潤一郎の「羹」と言った様々な文学作品にも登場しています。
場所・アクセス
川甚は江戸川沿いにあり、京成柴又駅から徒歩約8分ほどの場所です。
現在では、建物は近代的な建物になっています。
- 住所:〒125-0052 東京都葛飾区柴又7丁目19−14
- 営業時間
- 月・火・木・金:11:00~15:00、17:00~21:00(要予約)
- 土・日・祝:11:00~21:00(17:00以降要予約)
- 休業日:水曜日
- 最寄駅:柴又駅
- おすすめの行き方:電車
- 公式サイト:川甚
男はつらいよのロケ地・撮影地5「矢切の渡し」
撮影されたシーン
矢切の渡しといえば有名なヒット曲もありますが、「男はつらいよ」の映画の中でも欠かすことができない場所です。
「男はつらいよ」のオープニングで、いつも登場する場所です。
このロケ地の見どころ
このようなのどかな場所で、野球を楽しむ朝日印刷の工員たちの光景も、もはやおなじみのシーンですよね。
「男はつらいよ」第一作では「矢切の渡し」の船着き場があり、そこから20年ぶりに故郷に戻った寅さんが降り立ちました。
矢切の渡しは、江戸時代のはじめに地元の農民たちのため、幕府が作った渡し舟です。
ヒット曲だけでなく、伊藤左千夫の「野菊の墓」の舞台としてここを知っているという方々も多くいらっしゃることでしょう。
現存する渡し舟はここだけ!今後も守っていかなければならない大事な大事な日本の風景です。
場所・アクセス
京成線柴又駅から柴又帝釈天を通り過ぎて、江戸川堤防まで歩けば、だいたい10分程度のところに「矢切の渡し」があります。
川幅約150メートルの江戸川の対岸は千葉県松戸市で、千葉県松戸市と東京都葛飾区を結びます。
- 住所:〒125-0052 東京都葛飾区柴又7丁目18 先
- 営業時間
- 夏季:毎日運航10:00~16:00頃
- 冬季:土日祝日、庚申の日だけ運航10:00~16:00頃
- 料金
- 大人:片道200円
- 子ども:片道100円
- 最寄駅:柴又駅
- おすすめの行き方:電車
男はつらいよをご覧になりたい方へ
※時期によっては上記のサイトで配信されていない場合がありますのでご注意ください
関連外部リンク
男はつらいよのロケ地・撮影地についてのまとめ
いかがでしたか?今回は「男はつらいよ」のロケ地について紹介しました。
渥美清さんが亡くなって、更に「男はつらいよ」には新しい新作が。
まだまだ「男はつらいよ」は新しいジャンルの映画です。
そして「男はつらいよ」は日本人たちのココロのふるさとであり、ココロのよりどころでもあります。
いつまでも古くならない「男はつらいよ」のシーンがココロにあることでしょう。
ストレスが一杯たまったとき、つい立ち寄りたくなってしまう場所ではないでしょうか。